化学発光酵素免疫測定法を用いた献血者における高感度ヒトパルボウイルスB19抗原スクリーニング

ヒトパルボウイルスB19 (以下B19) に感染した人の献血によって, B19が輸血用血液や分画原料血漿に混入し, 更にその製剤を介して患者にB19が感染する可能性がある. その危険性を減少させるため, 日本赤十字社ではReceptor-mediated hemagglutination assay (RHA) 法による献血者B19スクリーニングを導入した. それにより分画プール血漿中に混入するB19量は大幅に減少した. しかしFDAなどは原料プール血漿に混入するB19DNA量を104geq/mL (IU/mL) 以下とするよう勧告しており, RHA法の検出限界である1010IU/mLでは,...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 53; no. 4; pp. 467 - 472
Main Authors 坂上, 尚仁, 坂田, 秀勝, 佐藤, 進一郎, 伊原, 弘美, 武田, 尋美, 松林, 圭二, 池田, 久實, 加藤, 俊明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 2007
日本輸血・細胞治療学会
Subjects
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ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.53.467

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Summary:ヒトパルボウイルスB19 (以下B19) に感染した人の献血によって, B19が輸血用血液や分画原料血漿に混入し, 更にその製剤を介して患者にB19が感染する可能性がある. その危険性を減少させるため, 日本赤十字社ではReceptor-mediated hemagglutination assay (RHA) 法による献血者B19スクリーニングを導入した. それにより分画プール血漿中に混入するB19量は大幅に減少した. しかしFDAなどは原料プール血漿に混入するB19DNA量を104geq/mL (IU/mL) 以下とするよう勧告しており, RHA法の検出限界である1010IU/mLでは, この要求を十分に満たすものではない. 今回我々は新しく感度のよいchemiluminescence enzyme immunoassay for screening B19 (CLEIA-B19抗原) を開発した. B19DNA陽性パネル (n=152) をCLEIA-B19抗原で測定した結果, RHA法より4Log高感度であることがわかった. また20プールNAT陰性の671検体をCLEIA-B19抗原で測定した結果, 1例のみ偽陽性となった. 以上のことよりCLEIA-B19抗原は感度特異性に優れ, 献血者B19スクリーニングに有用であると考えられた.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.53.467