レニン-アンギオテンシン系阻害薬と血管浮腫との関連性の解析

「緒言」レニン-アンギオテンシン系阻害薬であるアンギオテンシン変換酵素 (angiotensin-converting enzyme : ACE) 阻害薬は, 降圧薬として臨床で広く利用されている. また, 臓器保護作用があり合併症のある高血圧症の多くに第一選択薬として用いられている. ACE阻害薬には重篤な副作用として血管浮腫が知られており, 発症患者の約60%が投与開始後1週間以内に発症するとされている (厚生労働省ホームページ, 重篤副作用疾患別対応マニュアル "血管性浮腫", http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp112...

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Published in医療薬学 Vol. 41; no. 8; pp. 556 - 565
Main Authors 加藤, 大和, 紀ノ定, 保臣, 上田, 夏実, 阿部, 純子, 松井, 利亘, 中山, 蓉子, 梅津, 亮冴, 中村, 光浩, 羽根, 由基
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.08.2015
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.41.556

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Summary:「緒言」レニン-アンギオテンシン系阻害薬であるアンギオテンシン変換酵素 (angiotensin-converting enzyme : ACE) 阻害薬は, 降圧薬として臨床で広く利用されている. また, 臓器保護作用があり合併症のある高血圧症の多くに第一選択薬として用いられている. ACE阻害薬には重篤な副作用として血管浮腫が知られており, 発症患者の約60%が投与開始後1週間以内に発症するとされている (厚生労働省ホームページ, 重篤副作用疾患別対応マニュアル "血管性浮腫", http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1h05.pdf, 2014年12月12日). ACE阻害薬による血管浮腫は, ACEの阻害によってレニン-アンギオテンシン系への作用以外にブラジキニンの不活性化が阻害されることで, ブラジキニンによる血管透過性が亢進して血管浮腫が発生するためである (厚生労働省ホームページ, 重篤副作用疾患別対応マニュアル "血管性浮腫", http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1h05.pdf, 2014年12月12日).
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.41.556