胃mucosal bridgeを形成したBehçet病の1例
症例は69歳男性. 1991年心窩部痛, タール便を主訴に当科受診. まもなく反復性のアフタ性口内炎や結節性紅斑, 関節痛などが出現したためベーチェット病 (不完全型) と診断, ステロイド, NASIDの投与を受けていた. 翌1992年, 1月ころより胃前庭部の難治性潰瘍が出現, 4月には腸管穿孔を来たすなどし, 消化器症状が顕著なものとなった. その後胃病変は増悪, 軽快を繰り返し, 1994年に胃mucosal bridgeを形成. 潰瘍の悪化とH. pylori陽性を確認したため除菌療法を施行, 潰瘍は治癒した. 抗潰瘍薬の投与を継続し, 長期間に渡り経過観察を行っているが, 胃muc...
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| Published in | 日本臨床免疫学会会誌 Vol. 27; no. 3; pp. 177 - 180 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床免疫学会
2004
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| ISSN | 0911-4300 1349-7413 |
| DOI | 10.2177/jsci.27.177 |
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| Summary: | 症例は69歳男性. 1991年心窩部痛, タール便を主訴に当科受診. まもなく反復性のアフタ性口内炎や結節性紅斑, 関節痛などが出現したためベーチェット病 (不完全型) と診断, ステロイド, NASIDの投与を受けていた. 翌1992年, 1月ころより胃前庭部の難治性潰瘍が出現, 4月には腸管穿孔を来たすなどし, 消化器症状が顕著なものとなった. その後胃病変は増悪, 軽快を繰り返し, 1994年に胃mucosal bridgeを形成. 潰瘍の悪化とH. pylori陽性を確認したため除菌療法を施行, 潰瘍は治癒した. 抗潰瘍薬の投与を継続し, 長期間に渡り経過観察を行っているが, 胃mucosal bridgeは現在まで残存している. これまでベーチェット病に発生した胃mucosal bridgeの報告はなく, まれと考えられた. |
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| ISSN: | 0911-4300 1349-7413 |
| DOI: | 10.2177/jsci.27.177 |