佐藤式彎曲型咽喉頭直達鏡が有用であった頸椎症を合併した喉頭疾患の2症例

「はじめに」喉頭疾患への喉頭微細手術は頸部伸展位とする必要があり, 頸椎症などにより後屈制限がある症例では手術適応外となる場合がある. 通常は頸椎症増悪のリスクを考慮し, 局所麻酔下での喉頭内視鏡手術や保存的加療が選択される場合が多いと考えられるが, 全身麻酔下で治療を行うことが望ましい症例も存在する. 今回, 頸部の後屈制限のある頸椎症を合併した喉頭疾患の2症例に対して, 佐藤式彎曲型咽喉頭直達鏡(以下彎曲型喉頭鏡)を用いることで, 頸部伸展を最小限にとどめ, 合併症なく手術可能であったので報告する. 「症例」症例1: 50歳, 女性 主訴: 嗄声 既往歴: 頸椎症性神経根症, パニック障害...

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Published in喉頭 Vol. 31; no. 1; pp. 28 - 33
Main Authors 上羽, 瑠美, 谷口, 賢新郎, 佐藤, 拓, 二藤, 隆春, 後藤, 多嘉緒
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 01.06.2019
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ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx.31.28

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Summary:「はじめに」喉頭疾患への喉頭微細手術は頸部伸展位とする必要があり, 頸椎症などにより後屈制限がある症例では手術適応外となる場合がある. 通常は頸椎症増悪のリスクを考慮し, 局所麻酔下での喉頭内視鏡手術や保存的加療が選択される場合が多いと考えられるが, 全身麻酔下で治療を行うことが望ましい症例も存在する. 今回, 頸部の後屈制限のある頸椎症を合併した喉頭疾患の2症例に対して, 佐藤式彎曲型咽喉頭直達鏡(以下彎曲型喉頭鏡)を用いることで, 頸部伸展を最小限にとどめ, 合併症なく手術可能であったので報告する. 「症例」症例1: 50歳, 女性 主訴: 嗄声 既往歴: 頸椎症性神経根症, パニック障害 現病歴: X年12月に嗄声が出現し, 前医受診した. 声門上部の腫瘤性病変を認めたが, 頸椎症の既往により経過観察となっていた. X+1年8月, 嗄声が増悪したため, 手術加療を目的に東京大学医学部附属病院を紹介受診した.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx.31.28