新規 TPN キット製剤の微量元素存在下でのビタミン B1,C の安定性

「緒言」 中心静脈栄養(TPN)療法において, 高カロリー輸液用微量元素製剤(以下, 微量元素製剤と略す)は, 医療現場で混合調製されることが多い. このような背景から, ブドウ糖, 電解質, アミノ酸およびビタミンに加え微量元素までをキット化した製剤が新たに開発された. このエルネオパ1号輸液およびエルネオパ2号輸液(開発コード:TGAT-1およびTGAT-2)については, 混合調製に伴う労力, 時間および過誤など利便性の面から有用なキット製剤であることはすでに報告した1). 一方, 調製時の利便性とは別に, ビタミン含有の高カロリー輸液に微量元素製剤を混合した際の, ビタミンの安定性が問題...

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Published in医療薬学 Vol. 36; no. 1; pp. 10 - 17
Main Authors 加賀, 順二, 矢後, 和夫, 豊田, 太一, 松原, 肇, 尾鳥, 勝也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2010
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.36.10

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Summary:「緒言」 中心静脈栄養(TPN)療法において, 高カロリー輸液用微量元素製剤(以下, 微量元素製剤と略す)は, 医療現場で混合調製されることが多い. このような背景から, ブドウ糖, 電解質, アミノ酸およびビタミンに加え微量元素までをキット化した製剤が新たに開発された. このエルネオパ1号輸液およびエルネオパ2号輸液(開発コード:TGAT-1およびTGAT-2)については, 混合調製に伴う労力, 時間および過誤など利便性の面から有用なキット製剤であることはすでに報告した1). 一方, 調製時の利便性とは別に, ビタミン含有の高カロリー輸液に微量元素製剤を混合した際の, ビタミンの安定性が問題となり, 特に微量元素存在下ではビタミンC(アスコルビン酸)の著しい低下が起こることが知られている2-4). このため, ビタミンCを含むビタミン剤(以下, ビタミン剤と略す)と微量元素製剤は同一の輸液中への混合を避けること, あるいは同一の輸液に混合する場合は使用直前に行うこと, あるいはビタミンCを含有する製剤を別ルートで投与するなどの対応が必要である2).
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.36.10