バークによるアンモニア吸着および脱臭特性に関する実験的研究

本研究では,バークによるアンモニアの吸着および脱臭特性を把握するために,実際に下水汚泥等堆肥化施設で稼働しているバーク脱臭槽で採取した充填バーク(製品堆肥20%混合物)を用いて実験的検討を行った.まず,アンモニアの静的飽和吸着量を測定した結果,湿潤状態で2900mg/100g-dry, 乾燥状態で420mg/100g-dryという値が得られた.また,アンモニアは充填バークとの接触直後に90~96%が吸着した.充填バーク抽出液中には,吸着したアンモニアの多くがアンモニア性窒素(NH3-N)として検出されるが,時間経過とともにやや減少する傾向にあった.この原因として,初期はバーク中の有機成分との化...

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Published inにおい・かおり環境学会誌 Vol. 39; no. 1; pp. 17 - 23
Main Authors 樋口, 隆哉, 関根, 雅彦, 今井, 剛, 浮田, 正夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 におい・かおり環境協会 01.01.2008
におい・かおり環境協会
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ISSN1348-2904
1349-7847
DOI10.2171/jao.39.17

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Summary:本研究では,バークによるアンモニアの吸着および脱臭特性を把握するために,実際に下水汚泥等堆肥化施設で稼働しているバーク脱臭槽で採取した充填バーク(製品堆肥20%混合物)を用いて実験的検討を行った.まず,アンモニアの静的飽和吸着量を測定した結果,湿潤状態で2900mg/100g-dry, 乾燥状態で420mg/100g-dryという値が得られた.また,アンモニアは充填バークとの接触直後に90~96%が吸着した.充填バーク抽出液中には,吸着したアンモニアの多くがアンモニア性窒素(NH3-N)として検出されるが,時間経過とともにやや減少する傾向にあった.この原因として,初期はバーク中の有機成分との化学的結合による形態変化,その後は硝化作用による酸化の可能性が考えられた.抽出液中の亜硝酸性・硝酸性窒素(NO2,3-N)は次第に減少する傾向にあったことから,充填バーク内に部分的に嫌気状態が形成され,脱窒作用が生じたことが考えられた.硝化作用によるNH3-N除去速度および脱窒作用によるNO2,3-N除去速度の最大値は,それぞれ0.087mg NH3-N/h・g-dryおよび0.38mg NO2,3-N/h・g-dryであった.
ISSN:1348-2904
1349-7847
DOI:10.2171/jao.39.17