勤労男性の1食の適量把握の認識と食行動・体重コントロールとの関連

目的:勤労男性では肥満者が増加しており,日常の食生活の中で実行可能な体重コントロールの方法を見出すことは重要な課題である.本研究では,1食の適量把握の認識と,食行動及び体重コントロールとの関連を明らかにすることを目的とした. 方法:食事バランスガイドに基づいた「バランス弁当」と栄養情報カードを組み合わせた介入プログラムを開発し,都内N社の男性従業員63名を対象に,3ケ月間,週3回職場昼食として提供した.事前事後の質問紙調査及び身体計測には44名から協力が得られた.事後調査の回答から「適量がわかった群(n=23)」と「適量がわからなかった群(n=21)」の2つに分け,介入前後の食行動及び体重・腹...

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Published inJapanese Journal of Health Education and Promotion Vol. 17; no. 3; pp. 160 - 174
Main Authors 植松, 里子, 福田, 洋, 香取, 輝美, 松月, 弘恵, 武見, ゆかり, 冨永, 沙織, 大久保, 公美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康教育学会 2009
JAPANESE SOCIETY OF HEALTH EDUCATION AND PROMOTION
Subjects
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ISSN1340-2560
1884-5053
DOI10.11260/kenkokyoiku.17.160

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Summary:目的:勤労男性では肥満者が増加しており,日常の食生活の中で実行可能な体重コントロールの方法を見出すことは重要な課題である.本研究では,1食の適量把握の認識と,食行動及び体重コントロールとの関連を明らかにすることを目的とした. 方法:食事バランスガイドに基づいた「バランス弁当」と栄養情報カードを組み合わせた介入プログラムを開発し,都内N社の男性従業員63名を対象に,3ケ月間,週3回職場昼食として提供した.事前事後の質問紙調査及び身体計測には44名から協力が得られた.事後調査の回答から「適量がわかった群(n=23)」と「適量がわからなかった群(n=21)」の2つに分け,介入前後の食行動及び体重・腹囲等の変化を検討した. 結果:食行動の変化では,適量がわかった群で,食事バランスガイド活用ステージで有意に良好な変化がみられた.体重も平均73.7(SD11.1)kgから72.4(SD10.0)kgへ有意に減少した(p=0.02).更に減量が必要な肥満者,適量がわかった群16名,適量がわからなかった群13名に限定し解析したところ,わかった群のみに平均78.4(SD9.0)kgから76.4(SD7.6)kgへ有意な体重減少がみられた(p=0.03).わからなかった群では,食行動,体重共に有意な変化はみられなかった. 結論:1食の適量把握の認識ができるようになることは,勤労男性の体重コントロールに関連しているものと示唆された.
ISSN:1340-2560
1884-5053
DOI:10.11260/kenkokyoiku.17.160