論文作成に必要な統計学の知識

「1 はじめに」臨床研究には統計処理は不可欠である. 近年のコンピューターの発展により大量のデータが短時間で処理が可能になった. 市販の統計ソフトの利便性が向上して, グラフィカルユーザ-インターフェースを使い簡単に統計処理が可能になった. 統計処理用のフリーソフトであるRが普及し, 費用をかけなくても統計処理を行うことができる. Rは, ベル研究所が開発したS言語をフリーソフトにしたもので, たくさんの統計処理プログラムがパッケージとして提供されている. 近年発展した機械学習の一部の処理を除けば, ほとんどの統計処理がRで可能である. 誰でも簡単に統計処理を行うことが可能な環境がほぼ整ってい...

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Bibliographic Details
Published in歯科薬物療法 Vol. 39; no. 3; pp. 75 - 94
Main Author 野村, 義明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科薬物療法学会 2020
Subjects
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ISSN0288-1012
1884-4928
DOI10.11263/jsotp.21.02

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Summary:「1 はじめに」臨床研究には統計処理は不可欠である. 近年のコンピューターの発展により大量のデータが短時間で処理が可能になった. 市販の統計ソフトの利便性が向上して, グラフィカルユーザ-インターフェースを使い簡単に統計処理が可能になった. 統計処理用のフリーソフトであるRが普及し, 費用をかけなくても統計処理を行うことができる. Rは, ベル研究所が開発したS言語をフリーソフトにしたもので, たくさんの統計処理プログラムがパッケージとして提供されている. 近年発展した機械学習の一部の処理を除けば, ほとんどの統計処理がRで可能である. 誰でも簡単に統計処理を行うことが可能な環境がほぼ整っている. 統計学の専門的な知識がなくても, 統計処理が可能であり, 臨床医にとっても統計処理は身近なものとなっている. 利便性が増す一方で, 論文のエディターやレフリーの仕事で投稿論文の査読をしていると多くの統計処理の誤りが見られる.
ISSN:0288-1012
1884-4928
DOI:10.11263/jsotp.21.02