膵癌術後化学療法の進歩と展望

膵癌に対する術後補助化学療法について,これまでの進歩と現状および今後の展望を紹介した.膵癌における術後補助療法の有効性が明らかになり,塩酸ゲムシタビンのみが膵癌に対する第一選択薬の立場を変えつつある現状で,本邦からも多施設の協力によりS-1の膵癌術後補助治療における優位性が報告された.メタアナリシスの結果から,膵癌の術後補助療法として,5-FUあるいは塩酸ゲムシタビンを用いた治療を中心とした術後補助化学療法が試みられていくものと思われるが,術後という利点を利用して,癌組織を用いた個別化治療も勧められていくものと思われる....

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Published in膵臓 Vol. 29; no. 6; pp. 878 - 884
Main Authors 中森, 正二, 宮本, 敦史, 前田, 栄, 濱, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 25.12.2014
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.29.878

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Summary:膵癌に対する術後補助化学療法について,これまでの進歩と現状および今後の展望を紹介した.膵癌における術後補助療法の有効性が明らかになり,塩酸ゲムシタビンのみが膵癌に対する第一選択薬の立場を変えつつある現状で,本邦からも多施設の協力によりS-1の膵癌術後補助治療における優位性が報告された.メタアナリシスの結果から,膵癌の術後補助療法として,5-FUあるいは塩酸ゲムシタビンを用いた治療を中心とした術後補助化学療法が試みられていくものと思われるが,術後という利点を利用して,癌組織を用いた個別化治療も勧められていくものと思われる.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.29.878