膵石を伴う慢性膵炎急性増悪による膵仮性嚢胞に対し膵管ステント留置が有効であった1例

症例は70歳代,男性.アルコール常用者.主訴は腹痛.腹部CT検査で膵体部に約5mm大の膵石があり,この部位から横隔膜まで連続する膵嚢胞を認めた.慢性膵炎急性増悪による膵仮性嚢胞を疑い,内視鏡的逆行性膵管造影(ERP)を施行し,膵体部から造影剤の漏出を認めた.内視鏡的経鼻膵管ドレナージ(ENPD)チューブを留置し,泥状の排液を認めた.チューブ留置後第7日目に膵管ステントで内瘻化した.約2ヶ月後に嚢胞は消失,膵管ステントを抜去し,経過観察中である.膵管と交通を有する膵仮性嚢胞に対しては,膵管ステント留置は有効な治療法である....

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Published in膵臓 Vol. 29; no. 2; pp. 241 - 246
Main Authors 金藤, 光博, 吉岡, 正雄, 齋藤, 玄哲, 伊藤, 守, 山本, 久美子, 岡本, 雄貴, 藤井, 雅邦, 藤原, 明子, 塩出, 純二, 石山, 修平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 2014
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.29.241

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Summary:症例は70歳代,男性.アルコール常用者.主訴は腹痛.腹部CT検査で膵体部に約5mm大の膵石があり,この部位から横隔膜まで連続する膵嚢胞を認めた.慢性膵炎急性増悪による膵仮性嚢胞を疑い,内視鏡的逆行性膵管造影(ERP)を施行し,膵体部から造影剤の漏出を認めた.内視鏡的経鼻膵管ドレナージ(ENPD)チューブを留置し,泥状の排液を認めた.チューブ留置後第7日目に膵管ステントで内瘻化した.約2ヶ月後に嚢胞は消失,膵管ステントを抜去し,経過観察中である.膵管と交通を有する膵仮性嚢胞に対しては,膵管ステント留置は有効な治療法である.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.29.241