Retrograde injection and suction methodが再開通治療に有効であった頚部内頚動脈完全閉塞症の1例

『はじめに』 放射線療法後の症候性右頚部内頚動脈高度狭窄症の症例に対し, 亜急性期に同病巣が塞栓源となった動脈原性脳塞栓症を合併したため, 慢性期にcarotid artery stenting(CAS)を予定した. 術中右内頚動脈が完全閉塞となっていることが判明. 左内頚動脈撮影や左椎骨動脈撮影では逆行性の右内頚動脈の描出が得られず, CAS実施困難かと思われたが, 閉塞部を越えて右内頚動脈に留置したカテーテルから吸引しながらの左椎骨動脈撮影(retrograde injection and suction method)により, 頭蓋内右内頚動脈の開存状態を確認することができ, 無事CAS...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 39; no. 4; pp. 284 - 288
Main Authors 麓, 健太朗, 久保田, 司, 西谷, 幹雄, 寺田, 友昭, 森, 大輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2011
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.39.284

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Summary:『はじめに』 放射線療法後の症候性右頚部内頚動脈高度狭窄症の症例に対し, 亜急性期に同病巣が塞栓源となった動脈原性脳塞栓症を合併したため, 慢性期にcarotid artery stenting(CAS)を予定した. 術中右内頚動脈が完全閉塞となっていることが判明. 左内頚動脈撮影や左椎骨動脈撮影では逆行性の右内頚動脈の描出が得られず, CAS実施困難かと思われたが, 閉塞部を越えて右内頚動脈に留置したカテーテルから吸引しながらの左椎骨動脈撮影(retrograde injection and suction method)により, 頭蓋内右内頚動脈の開存状態を確認することができ, 無事CASを遂行することができた. この方法は, 頚部内頚動脈完全閉塞症に対してCASをより安全かつ確実に行うために有用であり, その実際の手技について報告する. 『症例』 患者:73歳, 男性. 既往歴:本態性高血圧症, C型慢性肝炎, 15年前扁桃腺悪性リンパ腫で放射線療法.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.39.284