再発血マメ状動脈瘤に対し瘤内塞栓術を施行した1例
『はじめに』 内頚動脈血マメ状動脈瘤(blood blister-like aneurysm)は内頚動脈の非分岐部に発生する動脈瘤で, 血マメ状の名のとおり, 多くは半球状を呈している1)5)9). 本動脈瘤は破裂急性期に再出血をきたしやすく, 早期の外科的治療を行う必要があるが, 動脈瘤が脆弱なため, 通常の柄部クリッピング術では術中出血をきたしたり, 術後再出血や再増大をきたしやすいことが知られている4)5)9)12). 一方, 急性期におけるコイルによる瘤内塞栓術は本動脈瘤ではその形状や動脈瘤壁の脆弱性から困難な場合が多いとされており11), 第一選択となる治療法ではない. 今回内頚動脈...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 38; no. 5; pp. 358 - 362 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2010
日本脳卒中の外科学会 |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.38.358 |
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Summary: | 『はじめに』 内頚動脈血マメ状動脈瘤(blood blister-like aneurysm)は内頚動脈の非分岐部に発生する動脈瘤で, 血マメ状の名のとおり, 多くは半球状を呈している1)5)9). 本動脈瘤は破裂急性期に再出血をきたしやすく, 早期の外科的治療を行う必要があるが, 動脈瘤が脆弱なため, 通常の柄部クリッピング術では術中出血をきたしたり, 術後再出血や再増大をきたしやすいことが知られている4)5)9)12). 一方, 急性期におけるコイルによる瘤内塞栓術は本動脈瘤ではその形状や動脈瘤壁の脆弱性から困難な場合が多いとされており11), 第一選択となる治療法ではない. 今回内頚動脈血マメ状動脈瘤に対しwrap-clippingを施行するも早期に動脈瘤の再増大を認め, 動脈瘤コイル塞栓術を行い良好な治療結果を得ることができた1例を経験したので文献的考察を加え報告する. 『症例』 52歳. 女性. 既往歴, 家族歴:特記事項なし. 現病歴:平成19年12月25日未明, 突然の激しい頭痛が出現したため近医を受診した. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.38.358 |