腹部超音波検査における肝外胆管径に関する検討

最近の1年間に人間ドックおよび腹部症状のない腹部超音波検査を施行された2265名を対象に,胆嚢摘出既往の有無による肝外胆管径の年齢による変化について,上限値の設定も含め検討した.胆嚢摘出術は69例に施行されていた.腹部超音波検査にて描出された肝外胆管の前壁の立ち上がりから後壁の立ち上がりまでを胆管径として計測した.年代別の平均肝外胆管径は,全体および胆嚢摘出既往例を除いた場合ともに,10歳,90歳および100歳台を除き,経年的に増加を示した.性別でも男性では10歳台,女性では90歳および100歳台を除き,経年的に増加を示した.胆嚢摘出術既往例では,経年的な変化は認められなかったが,非既往例より...

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Published in胆道 Vol. 33; no. 2; pp. 211 - 215
Main Authors 土屋, 宗一, 新井, 俊文, 尾花, 優一, 多賀谷, 信美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.05.2019
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.33.211

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Summary:最近の1年間に人間ドックおよび腹部症状のない腹部超音波検査を施行された2265名を対象に,胆嚢摘出既往の有無による肝外胆管径の年齢による変化について,上限値の設定も含め検討した.胆嚢摘出術は69例に施行されていた.腹部超音波検査にて描出された肝外胆管の前壁の立ち上がりから後壁の立ち上がりまでを胆管径として計測した.年代別の平均肝外胆管径は,全体および胆嚢摘出既往例を除いた場合ともに,10歳,90歳および100歳台を除き,経年的に増加を示した.性別でも男性では10歳台,女性では90歳および100歳台を除き,経年的に増加を示した.胆嚢摘出術既往例では,経年的な変化は認められなかったが,非既往例より各年代において拡張を示した.肝外胆管径は性別に関係なく経年的に増加するため,胆嚢摘出術の既往の有無を考慮した年代別の基準値を設け,適正な拡張の有無の判断をすべきである.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.33.211