Bartter症候群とGitelman症候群に対する利尿剤負荷試験の有用性についての検討
Bartter症候群 (BS) とGitelman症候群 (GS) は,低K血症,高レニン・アルドステロン血症を特徴とする遺伝性尿細管疾患である。近年,原因部位・遺伝子が特定され,BSは1型から4型まで分類可能となったが,原因遺伝子を特定できる施設は限られており臨床症状や検査所見で分類しているのが現状である。しかし,BS3型はGSと臨床症状や検査所見が類似する患者が存在するため,それのみでは診断を確定することが困難な場合がある。そこで利尿剤負荷試験による障害部位特定により診断にいたる方法が見直されている。BS1型と2型は原因部位がヘンレループに存在するためフロセミドに反応せず,GSは遠位尿細管...
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Published in | 日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 22; no. 1; pp. 24 - 28 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
2009
日本小児腎臓病学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0915-2245 1881-3933 |
DOI | 10.3165/jjpn.22.24 |
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Summary: | Bartter症候群 (BS) とGitelman症候群 (GS) は,低K血症,高レニン・アルドステロン血症を特徴とする遺伝性尿細管疾患である。近年,原因部位・遺伝子が特定され,BSは1型から4型まで分類可能となったが,原因遺伝子を特定できる施設は限られており臨床症状や検査所見で分類しているのが現状である。しかし,BS3型はGSと臨床症状や検査所見が類似する患者が存在するため,それのみでは診断を確定することが困難な場合がある。そこで利尿剤負荷試験による障害部位特定により診断にいたる方法が見直されている。BS1型と2型は原因部位がヘンレループに存在するためフロセミドに反応せず,GSは遠位尿細管に存在するためサイアザイドに反応しない。しかし,BS3型は原因部位がヘンレループから遠位尿細管に及ぶため利尿剤負荷による反応が不明である。利尿剤負荷による正確な診断を得るためにも今後データの蓄積が必要である。 |
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ISSN: | 0915-2245 1881-3933 |
DOI: | 10.3165/jjpn.22.24 |