クローン病に起因する腸腰筋膿瘍と気管支胸膜瘻との交通をEWSで塞栓した1例
背景.腸腰筋膿瘍から胸腔内に炎症が波及することは非常に稀で,腸腰筋膿瘍に気管支胸膜瘻を合併した報告は認めない.症例.64歳,男性.クローン病の経過観察中に右腸腰筋膿瘍と右膿胸を併発した.膿胸は抗菌薬とドレナージにより軽快したが,18か月後に腸腰筋膿瘍との間に気管支胸膜瘻が形成され,吸引性肺炎を発症した.気管支鏡下に右B8および右B9+10にEndobronchial Watanabe Spigot(EWS)を充填し,吸引性肺炎は治癒した.気管支充填術後52か月が経過しているが,吸引性肺炎の再燃は認めていない.結論.EWSによる気管支充填術は重篤な副作用もなく長期留置が可能な,有用な手段である....
Saved in:
Published in | 気管支学 Vol. 41; no. 5; pp. 463 - 467 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
25.09.2019
日本呼吸器内視鏡学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.41.5_463 |
Cover
Summary: | 背景.腸腰筋膿瘍から胸腔内に炎症が波及することは非常に稀で,腸腰筋膿瘍に気管支胸膜瘻を合併した報告は認めない.症例.64歳,男性.クローン病の経過観察中に右腸腰筋膿瘍と右膿胸を併発した.膿胸は抗菌薬とドレナージにより軽快したが,18か月後に腸腰筋膿瘍との間に気管支胸膜瘻が形成され,吸引性肺炎を発症した.気管支鏡下に右B8および右B9+10にEndobronchial Watanabe Spigot(EWS)を充填し,吸引性肺炎は治癒した.気管支充填術後52か月が経過しているが,吸引性肺炎の再燃は認めていない.結論.EWSによる気管支充填術は重篤な副作用もなく長期留置が可能な,有用な手段である. |
---|---|
ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.41.5_463 |