長期経過観察中に診断された潜在性膵液胆道内逆流を合併した無石胆嚢癌の1例
症例 : 67歳, 男性 主訴 : なし 既往歴 : 脂質異常症, 高血圧症 現病歴 : 46歳時に健康診断の腹部USで胆嚢壁の肥厚を指摘され, 以降定期的に経過観察が行われていた. 平成24年の腹部USで胆嚢壁肥厚所見の増悪を認め, 胆嚢癌が疑われ精査・加療目的に当科紹介となった. 入院時現症 : 特記すべき異常所見認めず. 入院時検査所見 : CEA5.4ng/mlと軽度上昇以外, 異常所見なし 図1に7年前と当院紹介時の腹部USを示す. 7年前の時点で胆嚢壁は体部を中心に内側から高エコー, 低エコー, 高エコーの3層構造を示し, びまん性に肥厚を認めた. 当院紹介時には最内側の高エコー層...
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Published in | 胆道 Vol. 27; no. 5; pp. 876 - 879 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
31.12.2013
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Subjects | |
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ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
DOI | 10.11210/tando.27.876 |
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Summary: | 症例 : 67歳, 男性 主訴 : なし 既往歴 : 脂質異常症, 高血圧症 現病歴 : 46歳時に健康診断の腹部USで胆嚢壁の肥厚を指摘され, 以降定期的に経過観察が行われていた. 平成24年の腹部USで胆嚢壁肥厚所見の増悪を認め, 胆嚢癌が疑われ精査・加療目的に当科紹介となった. 入院時現症 : 特記すべき異常所見認めず. 入院時検査所見 : CEA5.4ng/mlと軽度上昇以外, 異常所見なし 図1に7年前と当院紹介時の腹部USを示す. 7年前の時点で胆嚢壁は体部を中心に内側から高エコー, 低エコー, 高エコーの3層構造を示し, びまん性に肥厚を認めた. 当院紹介時には最内側の高エコー層が乳頭状に隆起し全体的に肥厚が増大している. 図2に示す腹部造影CT検査では, 底部を中心に造影効果を伴う壁の肥厚を確認できる. 肝へ直接浸潤や転移を示す所見は認めず, 周囲のリンパ節腫大も認めなかった. 図3にEUS検査を示す. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.27.876 |