溶連菌感染後急性糸球体腎炎が反復したと考えられた1例

溶連菌感染後急性糸球体腎炎 (PSAGN) を反復したと考えられた症例を経験した。  症例は14歳,男児。平成15年11月にPSAGNと診断され入院加療の結果改善し,その後の学校検尿では異常を指摘されていなかった。平成18年6月に再びPSAGNと診断され,精査目的で当科に紹介となった。PSAGNとして非典型的な経過と考えられ,確定診断を得る目的で腎生検を実施した。光顕標本ではびまん性管内増殖性腎炎に合致する所見であり,組織所見などからPSAGNに矛盾しないと考えられた。現在,尿蛋白は0.5g/日程度まで減少し,血清補体値の回復もみられている。PSAGNの反復例の報告は少なく,比較的稀な症例と考...

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Published in日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 20; no. 1; pp. 67 - 70
Main Authors 竹内, 義博, 上田, 達哉, 岩井, 勝, 澤井, 俊宏, 藤戸, 敬士, 高萩, 恭子, 馬場, 典子, 野村, 康之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児腎臓病学会 2007
日本小児腎臓病学会
Subjects
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ISSN0915-2245
1881-3933
DOI10.3165/jjpn.20.67

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Summary:溶連菌感染後急性糸球体腎炎 (PSAGN) を反復したと考えられた症例を経験した。  症例は14歳,男児。平成15年11月にPSAGNと診断され入院加療の結果改善し,その後の学校検尿では異常を指摘されていなかった。平成18年6月に再びPSAGNと診断され,精査目的で当科に紹介となった。PSAGNとして非典型的な経過と考えられ,確定診断を得る目的で腎生検を実施した。光顕標本ではびまん性管内増殖性腎炎に合致する所見であり,組織所見などからPSAGNに矛盾しないと考えられた。現在,尿蛋白は0.5g/日程度まで減少し,血清補体値の回復もみられている。PSAGNの反復例の報告は少なく,比較的稀な症例と考えられた。Watanabeらは,PSAGNの反復症例において,腎炎惹起性抗原であるNAPlr抗原に対する抗体が血清中にみられないことを報告しており,本症例も同様である可能性が考えられた。
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.20.67