虚血発症の頭蓋内動脈解離の病態と治療方針
『はじめに』 頭蓋内動脈解離の自然歴はいまだ不明な点が少なくない. 一方, この疾患は自然治癒が期待できるため. その治療方針を決定するのに苦慮する場合がある. 非出血例の転帰は一般的には内科的治療で良好とされているが1)4)6)17)26), そのうち虚血発症例の治療選択とくに抗血栓療法(抗血小板療法, 抗凝固療法)の適否については一定の見解がないのが現状である3)7)10)12)13)18)27). 今回虚血発症例に注目し, 臨床的特徴とくに症状の増悪・再発, 治療法および長期的転帰をretrospectiveに分析し, 治療方針について検討したので, 文献的考察を加え報告する. 『対象お...
Saved in:
| Published in | 脳卒中の外科 Vol. 39; no. 4; pp. 272 - 277 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2011
日本脳卒中の外科学会 |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
| DOI | 10.2335/scs.39.272 |
Cover
| Summary: | 『はじめに』 頭蓋内動脈解離の自然歴はいまだ不明な点が少なくない. 一方, この疾患は自然治癒が期待できるため. その治療方針を決定するのに苦慮する場合がある. 非出血例の転帰は一般的には内科的治療で良好とされているが1)4)6)17)26), そのうち虚血発症例の治療選択とくに抗血栓療法(抗血小板療法, 抗凝固療法)の適否については一定の見解がないのが現状である3)7)10)12)13)18)27). 今回虚血発症例に注目し, 臨床的特徴とくに症状の増悪・再発, 治療法および長期的転帰をretrospectiveに分析し, 治療方針について検討したので, 文献的考察を加え報告する. 『対象および方法』 対象は頭蓋内動脈解離(内頚動脈前壁動脈瘤を除く)214例(内頚動脈系15例, 椎骨脳底動脈系199例)のうち, 虚血発症例76例である. 内訳は内頚動脈系13例(87%), 椎骨脳底動脈系63例(32%)であり, 前者は千葉県循環器病センター脳卒中診療部のみで, 後者は千葉大学病院および関連病院で管理した症例である. |
|---|---|
| ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
| DOI: | 10.2335/scs.39.272 |