対側に高度閉塞性病変を伴った頸動脈高度狭窄例の脳循環動態の特徴と治療

内頸動脈狭窄に対する内頸動脈内膜剥離術(CEA)は欧米のcooperative study10)25)で内科治療群より優れていたことから, 本邦でも広く行われるようになってきており, 病態に対する理解度も深くなってきている. しかし, 対側の内頸動脈にも高度の狭窄, あるいは閉塞を伴った両側性の高度閉塞性病変を持つ症例における脳循環動態は, 遭遇する症例が少ないため, まだ不明な点が多い. したがって両側病変に対して循環動態を考慮した治療法の確立はできていないのが現状と考えられる. 本邦でもCEA件数は増加しているため, 今後両側性の高度閉塞性病変を持つ症例に遭遇する機会は増えてくると考えられ...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 30; no. 5; pp. 380 - 386
Main Authors 山根, 冠児, 石野, 真輔, 畠山, 尚志, 三原, 千恵, 豊田, 章宏, 平松, 和嗣久, 西田, 正博, 島, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2002
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.30.380

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Summary:内頸動脈狭窄に対する内頸動脈内膜剥離術(CEA)は欧米のcooperative study10)25)で内科治療群より優れていたことから, 本邦でも広く行われるようになってきており, 病態に対する理解度も深くなってきている. しかし, 対側の内頸動脈にも高度の狭窄, あるいは閉塞を伴った両側性の高度閉塞性病変を持つ症例における脳循環動態は, 遭遇する症例が少ないため, まだ不明な点が多い. したがって両側病変に対して循環動態を考慮した治療法の確立はできていないのが現状と考えられる. 本邦でもCEA件数は増加しているため, 今後両側性の高度閉塞性病変を持つ症例に遭遇する機会は増えてくると考えられる. したがって, 両側に高度の閉塞性病変を持つ症例の循環動態の特徴を調べ, その特徴をふまえた適切な治療指針を確立することは意義あることと考えられる. 症例 対象とした症例は, 血行再建術を行った症例で, 内頸動脈に70%以上の高度狭窄を両側性に認めた8例(Bil-ICAS), 一側内頸動脈の高度狭窄と反対側内頸動脈の閉塞を認めた5例(ICAS+ICAO)で, 計13例で検討した(Table1).
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.30.380