術前経口補水療法の麻酔導入後の循環動態に対する有用性の検討
待機的大腸癌手術の患者を対象に術前経口補水療法(ORT)が麻酔導入後の循環動態の変動をどの程度緩和するのかを従来群と比較検討した.患者を無作為に麻酔導入2時間前までにOS-1を飲水するORT群,清澄水を飲水する従来群の2群に分類した.麻酔導入前にフロートラックを接続し,麻酔導入後に血圧,心拍数,心係数(CI),1回拍出量係数(SVI),1回拍出量変化(SVV)などを測定し,導入5分後を基準として比較検討した.ORT群は従来群と比較して術前飲水量は有意に増加し,昇圧剤使用率,膠質液の使用率で有意な低下を認めた.麻酔導入後の血圧,心拍数がORT群では安定化していたが,両群においてSVVは基準値と比...
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| Published in | 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 38; no. 2; pp. 135 - 141 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床麻酔学会
15.03.2018
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| Subjects | |
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| ISSN | 0285-4945 1349-9149 |
| DOI | 10.2199/jjsca.38.135 |
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| Summary: | 待機的大腸癌手術の患者を対象に術前経口補水療法(ORT)が麻酔導入後の循環動態の変動をどの程度緩和するのかを従来群と比較検討した.患者を無作為に麻酔導入2時間前までにOS-1を飲水するORT群,清澄水を飲水する従来群の2群に分類した.麻酔導入前にフロートラックを接続し,麻酔導入後に血圧,心拍数,心係数(CI),1回拍出量係数(SVI),1回拍出量変化(SVV)などを測定し,導入5分後を基準として比較検討した.ORT群は従来群と比較して術前飲水量は有意に増加し,昇圧剤使用率,膠質液の使用率で有意な低下を認めた.麻酔導入後の血圧,心拍数がORT群では安定化していたが,両群においてSVVは基準値と比較して有意な上昇を認め,一つの原因として循環血液量不足を考えた. |
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| ISSN: | 0285-4945 1349-9149 |
| DOI: | 10.2199/jjsca.38.135 |