直立制御系の解析―複雑系の観点より
「はじめに」直立制御系は, 迷路系・視覚系・体性感覚系とこれらを制御する中枢神経系より構成され, 各系はそれぞれの働きを持ちながら, 相互作用する結果, 全体としては部分の働きの総和以上の働きを示している. すなわち, 直立制御系は複雑系1)2)としての性質がある. 本報告は, 複雑系としての直立制御系を解析する目的で, 健常者の直立姿勢に現れる重心動揺のアトラクタ, 相関次元, リアプノフスペクトル, 最大リアプノフ指数を検討したものである. 「方法」1 重心動揺記録. 基準的方法3)~5)に従った. 被検者を重心動揺検査装置(アニマ社製)の検査台上に閉足にて直立せしめ, 開閉眼各60秒間の...
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| Published in | Equilibrium Research Vol. 66; no. 1; pp. 17 - 25 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
2007
日本めまい平衡医学会 |
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| ISSN | 0385-5716 1882-577X |
| DOI | 10.3757/jser.66.17 |
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| Summary: | 「はじめに」直立制御系は, 迷路系・視覚系・体性感覚系とこれらを制御する中枢神経系より構成され, 各系はそれぞれの働きを持ちながら, 相互作用する結果, 全体としては部分の働きの総和以上の働きを示している. すなわち, 直立制御系は複雑系1)2)としての性質がある. 本報告は, 複雑系としての直立制御系を解析する目的で, 健常者の直立姿勢に現れる重心動揺のアトラクタ, 相関次元, リアプノフスペクトル, 最大リアプノフ指数を検討したものである. 「方法」1 重心動揺記録. 基準的方法3)~5)に従った. 被検者を重心動揺検査装置(アニマ社製)の検査台上に閉足にて直立せしめ, 開閉眼各60秒間の動揺を記録した. 動揺のサンプリング間隔は50ms(サンプリング周波数20Hz), サンプリング数1200である. 2 重心動揺検査. XY記録図の観察, ニューラルネットを用いた動揺型判定5), 基準的面積軌跡長検査を行った. |
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| ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
| DOI: | 10.3757/jser.66.17 |