未受診飛び込み分娩を行った10代妊婦の背景

「緒言」 未成年の妊娠は, いわゆる「望まない妊娠」が多く, また, 母親に特別なスキルなどがなければ貧困などにつながることが多いことなどから, 「子どもの虐待」などとも関連した社会的ハイリスク妊娠とされている. 現在, このようないわゆる「特定妊婦」に対する地域行政や医療機関などによる社会的・経済的支援や資源の情報提供, さらには心理的サポートなどが考慮されるようになってきた. これらのサポートを有効に実施するためは, 母子手帳発行時や医療機関受診時の社会的ハイリスク妊娠の適確な選別が重要であるが, 1度も医療機関への受診がないまま分娩に至ってしまうケースでは後手を踏んでしまうのが実状である...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 11; no. 2; pp. 102 - 104
Main Author 鈴木, 俊治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2015
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ISSN1349-8975
1880-2877
DOI10.1272/manms.11.102

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Summary:「緒言」 未成年の妊娠は, いわゆる「望まない妊娠」が多く, また, 母親に特別なスキルなどがなければ貧困などにつながることが多いことなどから, 「子どもの虐待」などとも関連した社会的ハイリスク妊娠とされている. 現在, このようないわゆる「特定妊婦」に対する地域行政や医療機関などによる社会的・経済的支援や資源の情報提供, さらには心理的サポートなどが考慮されるようになってきた. これらのサポートを有効に実施するためは, 母子手帳発行時や医療機関受診時の社会的ハイリスク妊娠の適確な選別が重要であるが, 1度も医療機関への受診がないまま分娩に至ってしまうケースでは後手を踏んでしまうのが実状である. 今回, 将来的に未成年の未受診飛び込み分娩を減らしていくために, 10代で1度も医療機関を受診することなく当院で分娩・産褥管理を行った症例の背景について検討したので報告する. 「方法」 葛飾赤十字産院倫理審査を経た後方視的研究を, 個人情報に配慮して行った.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.11.102