横紋筋融解症を合併した重症急性膵炎の1例:本邦報告例の集計とともに

症例は42歳,男性.20XX年アルコール性急性膵炎に対し前医で保存的加療を行ったが,症状改善せず,歩行困難となったため,当院へ転院となった.予後因子6点,造影CT Grade 2の重症急性膵炎と診断した.また,CK,Cre,LDH,ミオグロビンは高値であることから,横紋筋融解症,急性腎不全の合併を認めた.保存的加療を開始するも全身状態の改善が乏しかったため,持続血液濾過透析を中心とする集学的治療にて上記の改善を認めた.リハビリテーションを行った後,第37病日当院退院となった.重症急性膵炎に横紋筋融解症,急性腎不全を合併した場合の成因はアルコールが考えられ,また合併例は予後が不良である可能性があ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in膵臓 Vol. 34; no. 5; pp. 247 - 253
Main Authors 明石, 哲郎, 小川, 佳宏, 高岡, 雄大, 藤森, 尚, 佐々木, 将, 野田, 律矢, 大野, 隆真, 関口, 直孝, 落合, 利彰, 高松, 悠, 市野, 功
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 25.10.2019
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.34.247

Cover

More Information
Summary:症例は42歳,男性.20XX年アルコール性急性膵炎に対し前医で保存的加療を行ったが,症状改善せず,歩行困難となったため,当院へ転院となった.予後因子6点,造影CT Grade 2の重症急性膵炎と診断した.また,CK,Cre,LDH,ミオグロビンは高値であることから,横紋筋融解症,急性腎不全の合併を認めた.保存的加療を開始するも全身状態の改善が乏しかったため,持続血液濾過透析を中心とする集学的治療にて上記の改善を認めた.リハビリテーションを行った後,第37病日当院退院となった.重症急性膵炎に横紋筋融解症,急性腎不全を合併した場合の成因はアルコールが考えられ,また合併例は予後が不良である可能性があり,早急かつ積極的な集学的治療が必要であると考えられた.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.34.247