膵癌術後補助化学療法としてのS-1の有効性について―JASPAC-01試験をうけ,実臨床として

【はじめに】JASPAC-01試験の結果をうけ,現在本邦では膵癌の術後補助化学療法としてはS-1単独療法を行うことが推奨されている.当科では2005年よりadjuvantとしてS-1の投与を行ってきたが,今回はその有効性について無再発生存率(RFS),生存期間(OS)をretrospectiveに解析した.【対象と方法】投与後5年以上経過した浸潤性膵管癌切除19例を対象とした.2週連続・1週休薬を1コースとし,24週(8コース)以上の投与を目標とした.【結果】全19例における2年/5年RFSは42.1/26.3%であった.また2年/5年OSは63.1/36.8%,生存期間中央値(MST)は30...

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Published in膵臓 Vol. 29; no. 2; pp. 229 - 233
Main Authors 橋本, 雅司, 渡邊, 五朗, 松田, 正道, 佐々木, 一成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 2014
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.29.229

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Summary:【はじめに】JASPAC-01試験の結果をうけ,現在本邦では膵癌の術後補助化学療法としてはS-1単独療法を行うことが推奨されている.当科では2005年よりadjuvantとしてS-1の投与を行ってきたが,今回はその有効性について無再発生存率(RFS),生存期間(OS)をretrospectiveに解析した.【対象と方法】投与後5年以上経過した浸潤性膵管癌切除19例を対象とした.2週連続・1週休薬を1コースとし,24週(8コース)以上の投与を目標とした.【結果】全19例における2年/5年RFSは42.1/26.3%であった.また2年/5年OSは63.1/36.8%,生存期間中央値(MST)は30.1ヶ月であった.【考察】JASPAC-01では4週投与・2週休薬が選択されていたが,2週投与・1週休薬でもほぼ同等の治療完遂率・有効性・毒性であり,実臨床においてもJASPAC-01を支持する結果が得られたと考えられた.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.29.229