頸動脈内膜剥離術における術後高次脳機能障害の危険因子

頸動脈内膜剥離術41例における術後高次脳機能障害(Postoperative cognitive dysfunction:POCD)の頻度と予測因子を検討した.術前に全例でMRIと頸動脈エコーを,25例に脳血流シンチを施行した.POCDは39%に発症し,多変量解析によるPOCDの予測因子は,頸動脈低輝度プラーク(Odds ratio:OR 10.0),陳旧性脳梗塞(OR 4.0)および教育歴≦9年(OR 8.6)であった.さらに,POCD群は脳血流シンチで前・中大脳動脈領域の循環予備能低下が認められた.POCDには微小塞栓と脳予備能低下の関与が示唆された....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 37; no. 7; pp. 724 - 730
Main Authors 田島, 功一朗, 片平, 和博, 吉里, 公夫, 馬場, 知子, 大森, 雄樹, 森下, 昭治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.11.2017
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.37.724

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Summary:頸動脈内膜剥離術41例における術後高次脳機能障害(Postoperative cognitive dysfunction:POCD)の頻度と予測因子を検討した.術前に全例でMRIと頸動脈エコーを,25例に脳血流シンチを施行した.POCDは39%に発症し,多変量解析によるPOCDの予測因子は,頸動脈低輝度プラーク(Odds ratio:OR 10.0),陳旧性脳梗塞(OR 4.0)および教育歴≦9年(OR 8.6)であった.さらに,POCD群は脳血流シンチで前・中大脳動脈領域の循環予備能低下が認められた.POCDには微小塞栓と脳予備能低下の関与が示唆された.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.37.724