喉頭乳頭腫におけるヒト乳頭腫ウイルス感染と臨床経過

「はじめに」 喉頭乳頭腫は肉眼的に乳頭状の形態をとる良性腫瘍である. 喉頭乳頭腫の多くにヒト乳頭腫ウイルス(Human papilloma virus:以下HPV)が検出され, 再発・再燃を繰り返すことが多い. また稀に悪性転化を生じることもあり, 治療に難渋することが多い. HPV感染に起因する場合は, HPVそのものを根絶, 不活化するような薬物もしくはワクチンの開発が理想的であるが, 現在のところ全ての症例に有効な治療法はなく, 手術による切除が中心になる. これまで当科では手術による切除を中心に治療を行ってきた. しかし過去の報告のように, 再発性・多発性の強い喉頭気管乳頭腫症(rec...

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Published in喉頭 Vol. 28; no. 1; pp. 24 - 30
Main Authors 真栄田, 裕行, 喜瀬, 乗基, 比嘉, 麻乃, 喜友名, 朝則, 又吉, 宣, 鈴木, 幹男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 01.06.2016
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ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx.28.24

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Summary:「はじめに」 喉頭乳頭腫は肉眼的に乳頭状の形態をとる良性腫瘍である. 喉頭乳頭腫の多くにヒト乳頭腫ウイルス(Human papilloma virus:以下HPV)が検出され, 再発・再燃を繰り返すことが多い. また稀に悪性転化を生じることもあり, 治療に難渋することが多い. HPV感染に起因する場合は, HPVそのものを根絶, 不活化するような薬物もしくはワクチンの開発が理想的であるが, 現在のところ全ての症例に有効な治療法はなく, 手術による切除が中心になる. これまで当科では手術による切除を中心に治療を行ってきた. しかし過去の報告のように, 再発性・多発性の強い喉頭気管乳頭腫症(recurrent respiratory papillomatosis:RPR)と称される様な症例も数例経験しており, 治療に難渋してきた. 今回我々はこれまで当科を受診した喉頭乳頭腫症例に関して後方視的に臨床的検討を行い, 今後の喉頭乳頭腫症例への望ましい臨床的対応について考察したので報告する.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx.28.24