膵癌との鑑別に苦慮した膵黄色肉芽腫性炎症性腫瘤の1例

症例は78歳男性.他院で胆石症に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行された.術前のMRIで偶然,膵体部に18mmの腫瘤を認めた.膵体部腫瘤の精査,加療目的に入院となった.造影CTでは周囲より緩徐に造影される22mmの腫瘤として描出され,超音波内視鏡では不整形で内部に不均一な高エコー領域を伴う腫瘤として描出された.PET検査で集積を認めないものの膵癌が否定できず,膵体尾部切除を施行した.病理診断にて黄色肉芽腫性炎症性腫瘤と診断された.膵の黄色肉芽腫性腫瘤は非常に稀であり,文献的考察を加えて報告する....

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Published in膵臓 Vol. 27; no. 2; pp. 194 - 198
Main Authors 黒田, 暢一, 藤元, 治朗, 矢田, 章人, 裵, 正寛, 吉田, 康彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 2012
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.27.194

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Summary:症例は78歳男性.他院で胆石症に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行された.術前のMRIで偶然,膵体部に18mmの腫瘤を認めた.膵体部腫瘤の精査,加療目的に入院となった.造影CTでは周囲より緩徐に造影される22mmの腫瘤として描出され,超音波内視鏡では不整形で内部に不均一な高エコー領域を伴う腫瘤として描出された.PET検査で集積を認めないものの膵癌が否定できず,膵体尾部切除を施行した.病理診断にて黄色肉芽腫性炎症性腫瘤と診断された.膵の黄色肉芽腫性腫瘤は非常に稀であり,文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.27.194