胆道閉鎖症と診断した極小低出生体重児の1例

症例は在胎33週3日,出生体重1,425 gにて出生した女児.日齢7より灰白色便を認め,腹部超音波検査,胆道シンチグラフィの所見からも胆道閉鎖症が疑われた.便色や血清ビリルビン値を注意深く観察しながら患児の体重増加を待ち,日齢37(修正38週5日)に試験開腹術を施行した.術中胆道造影検査では胆道閉鎖症(I-b1-β)と診断し,葛西手術を施行した.術後45日目に退院し,現在術後5か月を経過したが,合併症なく経過している.本邦における出生体重1,500 g未満の胆道閉鎖症患児は全体の約1%未満と少なく,手術時期やその予後について十分な検討はない.そこで,早産児,極小および超低出生体重児の胆道閉鎖症...

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Published in日本小児外科学会雑誌 Vol. 53; no. 4; pp. 958 - 961
Main Authors 坂元, 直哉, 藤井, 俊輔, 千葉, 史子, 田中, 秀明, 産本, 陽平, 増本, 幸二, 青山, 統寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児外科学会 20.06.2017
日本小児外科学会
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ISSN0288-609X
2187-4247
DOI10.11164/jjsps.53.4_958

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Summary:症例は在胎33週3日,出生体重1,425 gにて出生した女児.日齢7より灰白色便を認め,腹部超音波検査,胆道シンチグラフィの所見からも胆道閉鎖症が疑われた.便色や血清ビリルビン値を注意深く観察しながら患児の体重増加を待ち,日齢37(修正38週5日)に試験開腹術を施行した.術中胆道造影検査では胆道閉鎖症(I-b1-β)と診断し,葛西手術を施行した.術後45日目に退院し,現在術後5か月を経過したが,合併症なく経過している.本邦における出生体重1,500 g未満の胆道閉鎖症患児は全体の約1%未満と少なく,手術時期やその予後について十分な検討はない.そこで,早産児,極小および超低出生体重児の胆道閉鎖症について,自験例の経験と文献を基に,手術時期を中心に考察を加えた.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.53.4_958