ストッキングを使用しストーマ脱出の管理をした1例

ストーマ脱出はストーマ造設後に経験される比較的多い合併症である.治療としてストーマ再造設,腸管の固定などの侵襲的処置が行われることもあるが,小児では一時的なストーマであることも多く,保存的加療が望まれることもある.今回我々はストッキングを使用した装具を作製し,ストーマ脱出を良好に管理できた症例を経験したので報告する.症例は2生月男児.13トリソミー,Fallot四徴症を合併し,出生後,hypoganglionosisに対し空腸瘻を造設していた.心不全があり,術後2か月間人工呼吸器管理を行っていたが,抜管後にストーマ脱出を来した.ストッキングを貼付したストーマ装具を使用し,ストーマ再造設を行うま...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本小児外科学会雑誌 Vol. 54; no. 4; pp. 985 - 988
Main Authors 田中, 秀明, 増本, 幸二, 千葉, 史子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児外科学会 20.06.2018
日本小児外科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0288-609X
2187-4247
DOI10.11164/jjsps.54.4_985

Cover

More Information
Summary:ストーマ脱出はストーマ造設後に経験される比較的多い合併症である.治療としてストーマ再造設,腸管の固定などの侵襲的処置が行われることもあるが,小児では一時的なストーマであることも多く,保存的加療が望まれることもある.今回我々はストッキングを使用した装具を作製し,ストーマ脱出を良好に管理できた症例を経験したので報告する.症例は2生月男児.13トリソミー,Fallot四徴症を合併し,出生後,hypoganglionosisに対し空腸瘻を造設していた.心不全があり,術後2か月間人工呼吸器管理を行っていたが,抜管後にストーマ脱出を来した.ストッキングを貼付したストーマ装具を使用し,ストーマ再造設を行うまで愛護的かつ保存的に腸管脱出を防止,管理し得た.ストッキングをパウチに貼付する本法は装具の作製が容易で,かつ安価であり,ストーマ脱出の管理において有用な対処法となると考えられた.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.54.4_985