慢性肝炎治療の確立を目指して

我が国では, 1970年の肝癌の死亡数が7,000人であったが, 現在は年間35,000人の方が肝臓癌で亡くなられています. こうした状況を打開する為, 平成14年から老健法による節目検診が始まり, 4年間でB型肝炎57,000人, C型肝炎47,000人が新たに感染者であることが判明した. 一方で, 治療法の方も2000年以降新たな薬剤が毎年使用可能となり, 治療の分野での発展が著しい. 今回はこうした治療の分野の発展について話をした. 「1)B型肝炎」まずB型肝炎においては, インターフェロン療法の6か月投与が可能となり, 将来的には1年投与も可能となる. 現時点での虎の門病院におけるイン...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 56; no. 6; pp. 824 - 828
Main Author 熊田, 博光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2008
日本農村医学会
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.56.824

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Summary:我が国では, 1970年の肝癌の死亡数が7,000人であったが, 現在は年間35,000人の方が肝臓癌で亡くなられています. こうした状況を打開する為, 平成14年から老健法による節目検診が始まり, 4年間でB型肝炎57,000人, C型肝炎47,000人が新たに感染者であることが判明した. 一方で, 治療法の方も2000年以降新たな薬剤が毎年使用可能となり, 治療の分野での発展が著しい. 今回はこうした治療の分野の発展について話をした. 「1)B型肝炎」まずB型肝炎においては, インターフェロン療法の6か月投与が可能となり, 将来的には1年投与も可能となる. 現時点での虎の門病院におけるインターフェロン治療の長期成績について述べると, (図1)長期経過が観察できた314例中, インターフェロンによりe抗原の陰性化HBV-DNA 5.0 Log copies/mL以下, トランスアミナーゼの正常化が持続している症例は91例(29%)である. しかし残りの226例は, インターフェロン投与終了後もトランスアミナーゼが変動することから, 約全体の半数である165例は, 核酸アナログ製剤を使用中である.
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.56.824