部分型16トリソミーと診断された乳児に対するデクスメデトミジンの使用経験

16番染色体短腕トリソミー(Trisomy 16p)は成長発達障害,中枢神経障害,頭蓋顔面奇形等のさまざまな障害を合併するまれな染色体異常症で,これまでに麻酔関連の報告はない.今回,困難気道が予想されたTrisomy 16p乳児の喉頭ファイバー検査およびMRI検査の鎮静に,デクスメデトミジン持続投与(0.8μg/kgの初期負荷投与および0.8μg/kg/hの維持投与)とケタミン単回投与を併用し,特別な気道確保を行うことなく,気道合併症,呼吸抑制,徐脈等を認めずに数時間の鎮静を安全に行うことができた.Trisomy 16p乳児の鎮静に,ケタミンと併用したデクスメデトミジンは有用であると考えられた...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 37; no. 5; pp. 596 - 599
Main Authors 新原, 朗子, 大日方, 洋文, 西部, 伸一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.09.2017
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.37.596

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Summary:16番染色体短腕トリソミー(Trisomy 16p)は成長発達障害,中枢神経障害,頭蓋顔面奇形等のさまざまな障害を合併するまれな染色体異常症で,これまでに麻酔関連の報告はない.今回,困難気道が予想されたTrisomy 16p乳児の喉頭ファイバー検査およびMRI検査の鎮静に,デクスメデトミジン持続投与(0.8μg/kgの初期負荷投与および0.8μg/kg/hの維持投与)とケタミン単回投与を併用し,特別な気道確保を行うことなく,気道合併症,呼吸抑制,徐脈等を認めずに数時間の鎮静を安全に行うことができた.Trisomy 16p乳児の鎮静に,ケタミンと併用したデクスメデトミジンは有用であると考えられた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.37.596