呼吸困難の原因が声門下気管狭窄であった末期拡張型心筋症患者の気管切除術の麻酔経験

気道狭窄患者の麻酔では酸素化維持が時に困難となる.今回,末期特発性拡張型心筋症(左室駆出率11%)患者での呼吸困難の原因が声門下気管狭窄であり,気管切除術を行った症例を経験したので報告する.41歳男性,心不全精査での画像検査で高度気管狭窄が発見され,狭窄部気管切除術となった.麻酔導入前に体外膜型酸素化装置,大動脈内バルーンパンピングを装着し,声門上装置により気道確保した.手術は狭窄部位遠位での気管切除後,術野挿管を行い,狭窄部を切除した後気管吻合し,経口挿管への切り替えを行い予定通り終了した.術中声門上装置による調節呼吸は不可能となったが,低酸素症,高二酸化炭素症の発症は認めず,術後患者の症状...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 40; no. 5; pp. 480 - 484
Main Authors 和田, 愛子, 山本, 俊介, 久利, 通興, 藤野, 裕士, 前田, 晃彦, 池村, 彩華
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.09.2020
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.40.480

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Summary:気道狭窄患者の麻酔では酸素化維持が時に困難となる.今回,末期特発性拡張型心筋症(左室駆出率11%)患者での呼吸困難の原因が声門下気管狭窄であり,気管切除術を行った症例を経験したので報告する.41歳男性,心不全精査での画像検査で高度気管狭窄が発見され,狭窄部気管切除術となった.麻酔導入前に体外膜型酸素化装置,大動脈内バルーンパンピングを装着し,声門上装置により気道確保した.手術は狭窄部位遠位での気管切除後,術野挿管を行い,狭窄部を切除した後気管吻合し,経口挿管への切り替えを行い予定通り終了した.術中声門上装置による調節呼吸は不可能となったが,低酸素症,高二酸化炭素症の発症は認めず,術後患者の症状は改善した.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.40.480