維持透析患者に発症した進行膵癌にゲムシタビン単独化学療法を施行した1例
症例は69歳男性.糖尿病性慢性腎不全により,2008年7月に透析を導入し,近医にて維持透析(2回/週:火,土)を受けていた.定期腹部超音波にて膵尾部癌+多発性肝転移の診断を受けた.2009年4月に当院紹介入院,血液透析併施ゲムシタビン単独療法施行を開始した.月曜午後にゲムシタビン(1000mg/m2×3投1休)投与し,火,土の透析計画とした.ゲムシタビン投与直後から有害事象がみられ,投与間隔の延長や休薬,投与量の変更を余儀なくされた.著しい貧血や血圧低下のためにシャント不全に対するPTAや輸血の対応が必要となった.治療開始後1.5ヵ月のCTにてStable Disease(SD)の判定,CA1...
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| Published in | 膵臓 Vol. 27; no. 2; pp. 199 - 205 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本膵臓学会
2012
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0913-0071 1881-2805 |
| DOI | 10.2958/suizo.27.199 |
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| Summary: | 症例は69歳男性.糖尿病性慢性腎不全により,2008年7月に透析を導入し,近医にて維持透析(2回/週:火,土)を受けていた.定期腹部超音波にて膵尾部癌+多発性肝転移の診断を受けた.2009年4月に当院紹介入院,血液透析併施ゲムシタビン単独療法施行を開始した.月曜午後にゲムシタビン(1000mg/m2×3投1休)投与し,火,土の透析計画とした.ゲムシタビン投与直後から有害事象がみられ,投与間隔の延長や休薬,投与量の変更を余儀なくされた.著しい貧血や血圧低下のためにシャント不全に対するPTAや輸血の対応が必要となった.治療開始後1.5ヵ月のCTにてStable Disease(SD)の判定,CA19-9の低下を認め,外来通院にて治療継続となった.その後本人および家族との協力の下で治療継続し,2010年6月に永眠された.文献的考察を含め報告する. |
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| ISSN: | 0913-0071 1881-2805 |
| DOI: | 10.2958/suizo.27.199 |