エンドトキシン吸着療法を施行した新生児胃破裂の1例

症例は日齢3の男児。血性嘔吐,腹部膨満,腹腔内遊離ガスを主訴とし,著明な高アンモニア血症,高エンドトキシン血症を認めた。持続的血液濾過透析を施行し,アンモニア値は減少傾向となったが,低血圧は改善しなかった。エンドトキシン吸着療法を施行したところ,血圧の上昇とともに,全身状態は改善し,根治術へつなげることができた。開腹所見は胃破裂であった。体外循環に伴う問題はなく,安全に施行することができた。成人領域においては,本治療法は広く行われているが,新生児では普及するにいたっていない。本症例において有効であったエンドトキシン吸着療法について,その機序と今後の適応基準を考察した。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 20; no. 1; pp. 71 - 76
Main Authors 岩永, 甲午郎, 木原, 裕貴, 藤原, 信, 古田, 靖彦, 中田, 久美子, 花見, 亮治, 福原, 里恵, 本田, 茜, 亀井, 尚美, 大田, 敏之, 大津, 一弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児腎臓病学会 2007
日本小児腎臓病学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0915-2245
1881-3933
DOI10.3165/jjpn.20.71

Cover

More Information
Summary:症例は日齢3の男児。血性嘔吐,腹部膨満,腹腔内遊離ガスを主訴とし,著明な高アンモニア血症,高エンドトキシン血症を認めた。持続的血液濾過透析を施行し,アンモニア値は減少傾向となったが,低血圧は改善しなかった。エンドトキシン吸着療法を施行したところ,血圧の上昇とともに,全身状態は改善し,根治術へつなげることができた。開腹所見は胃破裂であった。体外循環に伴う問題はなく,安全に施行することができた。成人領域においては,本治療法は広く行われているが,新生児では普及するにいたっていない。本症例において有効であったエンドトキシン吸着療法について,その機序と今後の適応基準を考察した。
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.20.71