手術非適応胆嚢炎患者に対する経乳頭的胆嚢ステント留置術の長期的安全有効性

経乳頭的な内視鏡的胆嚢ステントの長期的留置が手術非適応例の胆嚢炎再発予防に有効であったとする報告が散見されるが,その安全性は不確かである.手術非適応の胆嚢ステント留置例を,ステントを長期留置した30例(留置群)と,抜去し経過観察した10例(抜去群)とに分け,後方視的に比較検討した.観察期間中央値491日で,無イベント生存期間中央値は留置群が抜去群に比し有意に長かった(870日 vs. 166日,P=0.043).留置群は1年未満の再発を認めず,抜去群に比し,有意に再発割合が低かった(7% vs. 50%,P=0.006).後期偶発症は留置群6例(20%)であり,5例は留置後1年以降の発症で,う...

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Published in胆道 Vol. 34; no. 4; pp. 628 - 639
Main Authors 門野, 義弘, 古賀, 毅彦, 上川, 健太郎, 坂口, 将文, 浦田, 淳資
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.10.2020
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.34.628

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Summary:経乳頭的な内視鏡的胆嚢ステントの長期的留置が手術非適応例の胆嚢炎再発予防に有効であったとする報告が散見されるが,その安全性は不確かである.手術非適応の胆嚢ステント留置例を,ステントを長期留置した30例(留置群)と,抜去し経過観察した10例(抜去群)とに分け,後方視的に比較検討した.観察期間中央値491日で,無イベント生存期間中央値は留置群が抜去群に比し有意に長かった(870日 vs. 166日,P=0.043).留置群は1年未満の再発を認めず,抜去群に比し,有意に再発割合が低かった(7% vs. 50%,P=0.006).後期偶発症は留置群6例(20%)であり,5例は留置後1年以降の発症で,うち3例の関連死を認めた.胆嚢炎再発予防に胆嚢ステントの長期的留置は有効だが,死亡に至る後期偶発症を認め,その発症時期から,1年毎のステント交換が望ましい.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.34.628