術前に声門下狭窄・喉頭気管裂の合併が診断できなかったため気道確保に難渋したC型食道閉鎖症の麻酔経験

在胎34週,女児.妊娠経過中より消化管閉鎖が疑われ,出生直後に先天性食道閉鎖症(Gross分類C型)と診断,日齢0で全身麻酔下での胃瘻造設術が予定された.マスク換気は可能だったが挿管に難渋し,ラリンジアルマスクでの呼吸管理で手術を終了した.術後,再施行した3D-CTと気管支ファイバー検査で声門下狭窄を認め,呼吸管理のために日齢1で気管切開術を施行した.気管軟化症も合併しており気管切開チューブの管理に難渋したが,日齢85で根治術を施行することができた.挿管困難の原因は声門下狭窄と考えられたが,ラリンジアルマスクで換気できたのは喉頭気管裂を合併していたためと思われた.気道異常の合併頻度が高い新生児...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 33; no. 2; pp. 247 - 252
Main Authors 篠崎, 裕美, 櫻井, 由佳, 中尾, 三和子, 佐藤, 暢芳, 采谷, 英男, 黒川, 博己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2013
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.33.247

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Summary:在胎34週,女児.妊娠経過中より消化管閉鎖が疑われ,出生直後に先天性食道閉鎖症(Gross分類C型)と診断,日齢0で全身麻酔下での胃瘻造設術が予定された.マスク換気は可能だったが挿管に難渋し,ラリンジアルマスクでの呼吸管理で手術を終了した.術後,再施行した3D-CTと気管支ファイバー検査で声門下狭窄を認め,呼吸管理のために日齢1で気管切開術を施行した.気管軟化症も合併しており気管切開チューブの管理に難渋したが,日齢85で根治術を施行することができた.挿管困難の原因は声門下狭窄と考えられたが,ラリンジアルマスクで換気できたのは喉頭気管裂を合併していたためと思われた.気道異常の合併頻度が高い新生児疾患では十分な術前気道評価が重要であるが,それでも診断できない気道異常があることを念頭に置かなければならない.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.33.247