80歳以上の高齢膵癌患者に対する膵切除術の短期・長期成績の検討
【目的】80歳以上の高齢膵癌患者に対する膵切除術の短期・長期成績の検討.【対象と方法】膵癌切除141例を後ろ向きに検討し,80歳以上群(n=17)と未満群(n=124)を比較した.【結果】80歳以上群は未満群と比較して有意に併存疾患頻度が高く,パフォーマンスステータス(PS)は不良であったが,米国麻酔科学会術前状態分類(ASA-PS)は2群間に差を認めず,80歳以上群の82%はEastern Cooperative Oncology Group performance status(ECOG-PS)が1以下であった.術後合併症や在院日数は2群間で差を認めず,周術期死亡例はなかった.単変量解析で...
Saved in:
| Published in | 膵臓 Vol. 34; no. 5; pp. 195 - 205 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本膵臓学会
25.10.2019
|
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0913-0071 1881-2805 |
| DOI | 10.2958/suizo.34.195 |
Cover
| Summary: | 【目的】80歳以上の高齢膵癌患者に対する膵切除術の短期・長期成績の検討.【対象と方法】膵癌切除141例を後ろ向きに検討し,80歳以上群(n=17)と未満群(n=124)を比較した.【結果】80歳以上群は未満群と比較して有意に併存疾患頻度が高く,パフォーマンスステータス(PS)は不良であったが,米国麻酔科学会術前状態分類(ASA-PS)は2群間に差を認めず,80歳以上群の82%はEastern Cooperative Oncology Group performance status(ECOG-PS)が1以下であった.術後合併症や在院日数は2群間で差を認めず,周術期死亡例はなかった.単変量解析では無再発生存期間(RFS),全生存期間(OS)ともに2群間に差を認めず,多変量解析では,80歳以上であることはRFS,OSに関する独立したリスク因子ではなかった.【結論】PSやASA-PSを参考に手術適応を判断することで,80歳以上の高齢膵癌患者に対しても膵切除術は安全に施行可能であり,長期成績も非高齢者と同等であった. |
|---|---|
| ISSN: | 0913-0071 1881-2805 |
| DOI: | 10.2958/suizo.34.195 |