SPT 治療中に多関節痛からステロイドや骨代謝関連の投薬を 受けた1症例

日本では, 近年急速な高齢化を迎え, 今後もその傾向は続くとことが予想される. この高齢者の増加により, 歯周病患者においても, 糖尿病や高血圧などの全身疾患を併発した有病者が増加していることが示されている. そのため, 近年医科歯科連携の必要性が様々な場面で報告されており, 歯周疾患と全身疾患が相互に影響していることを示唆す基礎的・臨床的な研究が数多くされている. つまり, 歯周治療中にはそうした合併症が認められない患者でも, 動的治療修了後のサポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)の期間が長期化し, それに伴い患者の高齢化が進むため, その間に全身疾患が発症する可能性は高い. その発症...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 56; no. 2; pp. 193 - 198
Main Authors 岡田, 康佑, 栁, 千登勢, 藤村, 岳樹, 岩村, 侑樹, 福田, 光男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 2014
日本歯周病学会
Subjects
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.56.193

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Summary:日本では, 近年急速な高齢化を迎え, 今後もその傾向は続くとことが予想される. この高齢者の増加により, 歯周病患者においても, 糖尿病や高血圧などの全身疾患を併発した有病者が増加していることが示されている. そのため, 近年医科歯科連携の必要性が様々な場面で報告されており, 歯周疾患と全身疾患が相互に影響していることを示唆す基礎的・臨床的な研究が数多くされている. つまり, 歯周治療中にはそうした合併症が認められない患者でも, 動的治療修了後のサポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)の期間が長期化し, それに伴い患者の高齢化が進むため, その間に全身疾患が発症する可能性は高い. その発症した全身疾患治療のため, 投薬を長期に亘り受けることになる患者は増加することが予測される. 全身疾患で使用される薬物の中で歯科治療の際配慮すべきものとして, 心疾患に伴い処方される抗血栓薬や, 顎骨壊死のリスクのあるビスフォスフォネート製剤などが知られている.
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.56.193