急性膵炎を契機に診断された膵管非癒合を合併した膵体部癌の1例
症例は70歳代の男性.心窩部痛で当院を受診し,血液検査,CT所見から重症急性膵炎と診断した.保存的加療で軽快したが,成因は不明であった.4か月後に経過観察目的のEUSで膵体部に径8mm大の低エコー腫瘤を認め,EUS-FNAを施行し膵癌と診断した.造影CTで膵体部に径8mm大の造影不良な腫瘤とともに膵頭部に径7.5cm大の被包化された液貯留を認めwalled-off necrosis(WON)と考えられた.精査目的でERCPを施行し膵管非癒合を診断した.膵体尾部切除術を施行し,最終診断はpT3, s(+),rp(+),pv(-),a(-),pl(-),oo(-),moderately diffe...
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Published in | 膵臓 Vol. 31; no. 5; pp. 754 - 759 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本膵臓学会
25.10.2016
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Subjects | |
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ISSN | 0913-0071 1881-2805 |
DOI | 10.2958/suizo.31.754 |
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Summary: | 症例は70歳代の男性.心窩部痛で当院を受診し,血液検査,CT所見から重症急性膵炎と診断した.保存的加療で軽快したが,成因は不明であった.4か月後に経過観察目的のEUSで膵体部に径8mm大の低エコー腫瘤を認め,EUS-FNAを施行し膵癌と診断した.造影CTで膵体部に径8mm大の造影不良な腫瘤とともに膵頭部に径7.5cm大の被包化された液貯留を認めwalled-off necrosis(WON)と考えられた.精査目的でERCPを施行し膵管非癒合を診断した.膵体尾部切除術を施行し,最終診断はpT3, s(+),rp(+),pv(-),a(-),pl(-),oo(-),moderately differentiated tubular adenocarcinomaで主膵管,分枝膵管に広範囲に異型上皮の進展を認めた. |
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ISSN: | 0913-0071 1881-2805 |
DOI: | 10.2958/suizo.31.754 |