塞栓術を行った破裂脳動脈瘤例における脳血管攣縮の検討

「はじめに」現在でも脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血後の脳血管攣縮は, 予後を決定する重要な因子となっている. さらに, 脳血管攣縮は血管撮影上では70%に認め, 臨床症状を呈する症例においては20‐30%で認められると報告されている3)4)10). 近年では, 破裂脳動脈瘤に対する治療法として瘤内塞栓術を行うことが増加してきており, 塞栓術後の脳血管攣縮の発生頻度についての報告も多数みうけられる2)7)9)11). 当施設において塞栓術を行った破裂脳動脈瘤の脳血管攣縮発生頻度を検討したので報告する. 「対象および方法」1997年3月から2005年3月までに, 脳動脈瘤破裂後7日以内に開頭クリッ...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 34; no. 4; pp. 280 - 283
Main Authors 新堂, 敦, 河北, 賢哉, 田宮, 隆, 川西, 正彦, 長尾, 省吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2006
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.34.280

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Summary:「はじめに」現在でも脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血後の脳血管攣縮は, 予後を決定する重要な因子となっている. さらに, 脳血管攣縮は血管撮影上では70%に認め, 臨床症状を呈する症例においては20‐30%で認められると報告されている3)4)10). 近年では, 破裂脳動脈瘤に対する治療法として瘤内塞栓術を行うことが増加してきており, 塞栓術後の脳血管攣縮の発生頻度についての報告も多数みうけられる2)7)9)11). 当施設において塞栓術を行った破裂脳動脈瘤の脳血管攣縮発生頻度を検討したので報告する. 「対象および方法」1997年3月から2005年3月までに, 脳動脈瘤破裂後7日以内に開頭クリッピング術または瘤内塞栓術が行われたのは136例であった. くも膜下出血重症例, 椎骨脳底動脈系動脈瘤, 高齢者, 全身合併症の認められる例や本人あるいは家族の強い希望のある症例で, 瘤内塞栓術を選択したのは52例であった. 52例において治療開始早期の死亡例8例と塞栓術施行時にすでに脳血管攣縮を認めた2例を除いた42例を検討の対象とした. 年齢は31-89歳(平均64.4歳)で男性13例, 女性29例であった.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.34.280