有瘻性膿胸開窓術後の根治的閉鎖術にEWSによる気管支充填術が有用であった1例

背景.有瘻性膿胸開窓術後の根治的閉鎖術において,瘻孔の閉鎖が得られない症例では,膿胸腔の清浄化や根治閉鎖の際の瘻孔閉鎖に難渋することがある.症例.42歳男性.右有瘻性膿胸に対して開窓術を施行したが,瘻孔の閉鎖・膿胸腔の清浄化が得られず,治療目的に当院に紹介となった.胸部CTで瘻孔の責任気管支(B6a)が同定できたため,気管支充填術を行う方針とした.B6a,B6入口部にそれぞれEndobronchial Watanabe Spigot(EWS)を充填した.無瘻化により膿胸腔の感染制御が得られたため,気管支充填術の3カ月後に有茎広背筋皮弁を用いた根治的閉鎖術を施行した.術後18カ月,膿胸の再燃は認...

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Published in気管支学 Vol. 42; no. 4; pp. 312 - 316
Main Authors 金山, 雅俊, 篠原, 伸二, 田中, 文啓, 森, 將鷹, 松宮, 弘喜, 米田, 和恵, 黒田, 耕志, 桒田, 泰治, 今西, 直子, 平良, 彰浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.07.2020
日本呼吸器内視鏡学会
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.42.4_312

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Summary:背景.有瘻性膿胸開窓術後の根治的閉鎖術において,瘻孔の閉鎖が得られない症例では,膿胸腔の清浄化や根治閉鎖の際の瘻孔閉鎖に難渋することがある.症例.42歳男性.右有瘻性膿胸に対して開窓術を施行したが,瘻孔の閉鎖・膿胸腔の清浄化が得られず,治療目的に当院に紹介となった.胸部CTで瘻孔の責任気管支(B6a)が同定できたため,気管支充填術を行う方針とした.B6a,B6入口部にそれぞれEndobronchial Watanabe Spigot(EWS)を充填した.無瘻化により膿胸腔の感染制御が得られたため,気管支充填術の3カ月後に有茎広背筋皮弁を用いた根治的閉鎖術を施行した.術後18カ月,膿胸の再燃は認めていない.結論.EWSを用いた気管支充填術による瘻孔閉鎖・感染制御は,有瘻性膿胸開窓術後の根治的閉鎖術に有用であると考える.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.42.4_312