胆嚢原発肝様腺癌の1例

症例は71歳女性.20XX年Y月上腹部痛を主訴に近医を受診,腹部CT検査にて胆嚢内に腫瘍を認め,当院紹介となった.血液検査ではγ-GTの軽度上昇,腫瘍マーカーではAFP,AFP-L3%の上昇を認めた.腹部超音波検査では胆嚢内腔を充満する腫瘤を認め,造影CT,MRIでは造影早期から濃染された.画像診断から胆嚢癌を強く疑い,胆嚢胆管切除及び肝S4a+S5切除術を施行した.切除標本で胆嚢内腔を占拠する70×50×45mm大の塊状型の腫瘍を認めた.病理学的検査では,AFPとhepatocyte parafine-1,Arginaseが陽性を示す肝細胞癌に類似した組織と,充実胞巣や腺管構造を形成しながら...

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Published in胆道 Vol. 33; no. 4; pp. 744 - 751
Main Authors 三浦, 晋, 菅野, 敦, 田中, 裕, 古川, 徹, 鍋島, 立秀, 佐野, 貴紀, 正宗, 淳, 滝川, 哲也, 藤島, 史喜, 森川, 孝則, 松本, 諒太郎, 海野, 倫明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.10.2019
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.33.744

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Summary:症例は71歳女性.20XX年Y月上腹部痛を主訴に近医を受診,腹部CT検査にて胆嚢内に腫瘍を認め,当院紹介となった.血液検査ではγ-GTの軽度上昇,腫瘍マーカーではAFP,AFP-L3%の上昇を認めた.腹部超音波検査では胆嚢内腔を充満する腫瘤を認め,造影CT,MRIでは造影早期から濃染された.画像診断から胆嚢癌を強く疑い,胆嚢胆管切除及び肝S4a+S5切除術を施行した.切除標本で胆嚢内腔を占拠する70×50×45mm大の塊状型の腫瘍を認めた.病理学的検査では,AFPとhepatocyte parafine-1,Arginaseが陽性を示す肝細胞癌に類似した組織と,充実胞巣や腺管構造を形成しながら浸潤性に増殖する通常の腺癌成分の2つの異なる組織が混在していた.以上の結果より,胆嚢原発肝様腺癌と診断した.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.33.744