破裂脳動脈瘤に対する治療の変遷と初期成績に関して

『はじめに』 破裂脳動脈瘤に対しては, 従来再出血が多いとされる発症6時間以降に脳血管撮影を行ったのち, ネッククリッピング術を中心とした根治手術が行われてきた. 一方, 近年は周術期, 特に術前の管理に全身麻酔, 種々のモニタリングを行い, 厳重な血圧管理, 再破裂予防ができるようになり, 早期診断・治療が可能になってきている. また治療方法においてもネッククリッピング術だけでなく, コイル塞栓術も積極的に行えるようになってきた. これらの状況を受けて, 当院でも2008年4月以降, 脳神経血管内治療指導医・専門医が1人から3人に増加したことに伴って, くも膜下出血に対する治療方針を大幅に変...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 39; no. 3; pp. 198 - 203
Main Authors 津浦, 光晴, 平山, 勝久, 宮武, 伸行, 垣下, 浩二, 越道, 慎一郎, 中, 大輔, 石原, 隆史, 津本, 智幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2011
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.39.198

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Summary:『はじめに』 破裂脳動脈瘤に対しては, 従来再出血が多いとされる発症6時間以降に脳血管撮影を行ったのち, ネッククリッピング術を中心とした根治手術が行われてきた. 一方, 近年は周術期, 特に術前の管理に全身麻酔, 種々のモニタリングを行い, 厳重な血圧管理, 再破裂予防ができるようになり, 早期診断・治療が可能になってきている. また治療方法においてもネッククリッピング術だけでなく, コイル塞栓術も積極的に行えるようになってきた. これらの状況を受けて, 当院でも2008年4月以降, 脳神経血管内治療指導医・専門医が1人から3人に増加したことに伴って, くも膜下出血に対する治療方針を大幅に変更した. 主な変更点は, 1. 従来, 発症後6時間以降に血管撮影を行い, 治療方針を決定していたものを可能な限り, 発症早期に脳血管撮影や3D CT angiography(3DCTA)などを行って治療方針を決定するようにした. 2. 治療方法として, 従来は開頭ネッククリッピング術を第一選択に位置づけていたが, 2008年4月以降は動脈瘤の大きさ, 形状で治療方法を決定し, 脳神経血管内治療医がコイル塞栓術を行えると判断すれば, 積極的にコイル塞栓術を行うようにした.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.39.198