On the wall typeの硬膜動静脈瘻の1例

「はじめに」硬膜動静脈瘻dural arteriovenous fistula(以下DAVF)は硬膜動脈と硬膜静脈の間に発生する異常な動静脈シャントを病態とする疾患である12). 発生部位としては海綿静脈洞, 横-S状静脈洞transverse-sigmoid sinus(以下TSS)に多く認められる. TSSに発生するDAVFはいったん静脈洞に流入したのち, 時に逆行性に皮質静脈に還流する. われわれは静脈洞壁にシャントがありながらその静脈洞には流入せず, 静脈洞壁から直接皮質静脈に還流するいわゆるon the wall typeのDAVFを経験したので報告する. 「症例提示」患者: 55歳...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 39; no. 6; pp. 432 - 436
Main Authors 桑山, 直也, 高, 正圭, 山本, 博道, 岡本, 宗司, 伊東, 久勝, 遠藤, 俊郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2011
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.39.432

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Summary:「はじめに」硬膜動静脈瘻dural arteriovenous fistula(以下DAVF)は硬膜動脈と硬膜静脈の間に発生する異常な動静脈シャントを病態とする疾患である12). 発生部位としては海綿静脈洞, 横-S状静脈洞transverse-sigmoid sinus(以下TSS)に多く認められる. TSSに発生するDAVFはいったん静脈洞に流入したのち, 時に逆行性に皮質静脈に還流する. われわれは静脈洞壁にシャントがありながらその静脈洞には流入せず, 静脈洞壁から直接皮質静脈に還流するいわゆるon the wall typeのDAVFを経験したので報告する. 「症例提示」患者: 55歳男性. 主訴: 頭痛. 拍動性耳鳴. 平成20年7月初めに頭痛, 拍動性の耳鳴を自覚し前医を受診した. 頭部magnetic resonance imaging (MRI)と脳血管撮影にて右TSSのDAVFと診断され, 治療のために当院に紹介された.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.39.432