肝内結石症に対する肝内胆管―空腸吻合術の22年後に発生した胆管癌の1例
症例は, 82歳女性. 腹痛のために受診をした他院で, 1977年に総胆管結石症に対して, 手術(胆嚢摘出, 結石摘出, Tチューブ留置)がなされ, その際に肝内結石を指摘されていた. 1982年に再度腹痛出現のため, 他院を受診し, B3を主座とする肝内結石症の診断で, 肝内胆管(B3)―空腸の側々吻合術がなされた(図1). 最終手術から22年後の2004年に腹痛を主訴に近医を受診し, 上腹部に腫瘤を指摘され, 当院を受診した. 初診時, 上腹部に軽度圧痛を伴う柔らかい手拳大の腫瘤を触知した. 腹部超音波検査(図2): 上腹部正中に辺縁整で境界が比較的明瞭な腫瘤を認め, 内部は液体成分を示す...
Saved in:
Published in | 胆道 Vol. 28; no. 1; pp. 130 - 135 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
31.03.2014
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
DOI | 10.11210/tando.28.130 |
Cover
Summary: | 症例は, 82歳女性. 腹痛のために受診をした他院で, 1977年に総胆管結石症に対して, 手術(胆嚢摘出, 結石摘出, Tチューブ留置)がなされ, その際に肝内結石を指摘されていた. 1982年に再度腹痛出現のため, 他院を受診し, B3を主座とする肝内結石症の診断で, 肝内胆管(B3)―空腸の側々吻合術がなされた(図1). 最終手術から22年後の2004年に腹痛を主訴に近医を受診し, 上腹部に腫瘤を指摘され, 当院を受診した. 初診時, 上腹部に軽度圧痛を伴う柔らかい手拳大の腫瘤を触知した. 腹部超音波検査(図2): 上腹部正中に辺縁整で境界が比較的明瞭な腫瘤を認め, 内部は液体成分を示す低エコーと充実性成分を示す高エコーが不均一に混在していた. 一部には, ガス像と思われる強い高エコーが散在していた. 腹部CT (図3): 腫瘤は長径約9cmで, 内部には液体とガスと共に充実性病変を伴っていた. |
---|---|
ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.28.130 |