気管支肺胞洗浄で診断した胃全摘術後リポイド肺炎の1例

背景.リポイド肺炎は脂質を貪食したマクロファージが肺胞腔内に出現することを特徴とした肺炎で,比較的稀な疾患である.症例.53歳,女性.抗菌薬投与後も陰影が悪化する肺炎で紹介された.経過や画像所見から器質化肺炎が疑われたためステロイド投与を行うも陰影は改善せず,気管支鏡検査を施行した.気管支肺胞洗浄にて脂肪貪食マクロファージを認め,リポイド肺炎と診断した.就寝中に消化液逆流によりしばしば噎せていることが確認され,メトクロプラミドの追加,就寝前の食事制限,就寝中の体位指導などを行い改善した.結論.胃全摘術後の消化液逆流,就寝中の誤嚥が原因と考えられた.気管支鏡検査が診断に有用であったリポイド肺炎の...

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Published in気管支学 Vol. 43; no. 3; pp. 237 - 242
Main Authors 飯島, 裕基, 内田, 賢典, 宮下, 義啓, 小林, 洋一, 柿﨑, 有美子, 筒井, 俊晴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.05.2021
日本呼吸器内視鏡学会
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.43.3_237

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Summary:背景.リポイド肺炎は脂質を貪食したマクロファージが肺胞腔内に出現することを特徴とした肺炎で,比較的稀な疾患である.症例.53歳,女性.抗菌薬投与後も陰影が悪化する肺炎で紹介された.経過や画像所見から器質化肺炎が疑われたためステロイド投与を行うも陰影は改善せず,気管支鏡検査を施行した.気管支肺胞洗浄にて脂肪貪食マクロファージを認め,リポイド肺炎と診断した.就寝中に消化液逆流によりしばしば噎せていることが確認され,メトクロプラミドの追加,就寝前の食事制限,就寝中の体位指導などを行い改善した.結論.胃全摘術後の消化液逆流,就寝中の誤嚥が原因と考えられた.気管支鏡検査が診断に有用であったリポイド肺炎の1例を経験したので報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.43.3_237