胆管原発神経内分泌腫瘍の3例

胆管神経内分泌腫瘍(NET)は稀なため,まだ十分な情報が集積されていない.症例1:79歳,女性.主訴は黄疸.CTで下部胆管(Bi)に30mmの膵と等吸収の結節を認め,生検では神経内分泌癌(NEC)を認めた.膵頭十二指腸切除(PD)とトポテシン+シスプラチンの補助化学療法を行ったが,32カ月後に肝転移にて永眠された.症例2:68歳,男性.肝障害を契機にCTで肝門部に淡く染まる15mmの腫瘤が発見された.切除標本ではNET(G2)であった.術後25カ月経過し,無再発生存中.症例3:81歳,女性.主訴は黄疸.CTでBiに38mmの低吸収病変が見られ,生検で腺癌を認めた.胆嚢にも33mmの腫瘤を認め,...

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Published in胆道 Vol. 34; no. 2; pp. 205 - 213
Main Authors 伊藤, 貴明, 角田, 優子, 大木, 克久, 上坂, 克彦, 山本, 有祐, 岡村, 行泰, 佐々木, 恵子, 松林, 宏行, 石渡, 裕俊, 蘆田, 良, 杉浦, 禎一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.05.2020
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.34.205

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Summary:胆管神経内分泌腫瘍(NET)は稀なため,まだ十分な情報が集積されていない.症例1:79歳,女性.主訴は黄疸.CTで下部胆管(Bi)に30mmの膵と等吸収の結節を認め,生検では神経内分泌癌(NEC)を認めた.膵頭十二指腸切除(PD)とトポテシン+シスプラチンの補助化学療法を行ったが,32カ月後に肝転移にて永眠された.症例2:68歳,男性.肝障害を契機にCTで肝門部に淡く染まる15mmの腫瘤が発見された.切除標本ではNET(G2)であった.術後25カ月経過し,無再発生存中.症例3:81歳,女性.主訴は黄疸.CTでBiに38mmの低吸収病変が見られ,生検で腺癌を認めた.胆嚢にも33mmの腫瘤を認め,PDを施行した.胆管病変はNEC,胆嚢は腺癌で,術後2カ月生存中である.胆管NET/NECの診断には十分な病理検体が必要と考えられた.胆管NECは予後不良であり,早期外科切除と適切な化学療法が求められる.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.34.205