可撤性部分床義歯の使用状況に影響を及ぼす因子に関する臨床統計学的検討

目的 : 本研究は, 後ろ向きコホート研究から可撤性部分床義歯 (RPD : Removable Partial Denture) の使用状況に影響を及ぼす因子に関して, 多変量解析を用いて検討することを目的とした. 方法 : 東北大学歯学部臨床実習において最終義歯としてRPDを装着した患者161名のうち, 約5年経過後のリコール調査に応じた67名 (男性18名, 女性49名, 平均年齢66.0 ± 9.5歳), 90床を分析対象とした. 使用状況は, RPDを5年間使用し続けているものを継続使用, 5年以内に新義歯に作り変えたもの, 使用を中止したものを再製作使用・不使用と規定し, 以下の1...

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Published in日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 52; no. 2; pp. 126 - 134
Main Authors 千葉, 貴大, 佐々木, 啓一, 小川, 徹, 小山, 重人, 牛来, 慎太郎, 羽鳥, 弘毅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本補綴歯科学会 2008
日本補綴歯科学会
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ISSN0389-5386
1883-177X
DOI10.2186/jjps.52.126

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Summary:目的 : 本研究は, 後ろ向きコホート研究から可撤性部分床義歯 (RPD : Removable Partial Denture) の使用状況に影響を及ぼす因子に関して, 多変量解析を用いて検討することを目的とした. 方法 : 東北大学歯学部臨床実習において最終義歯としてRPDを装着した患者161名のうち, 約5年経過後のリコール調査に応じた67名 (男性18名, 女性49名, 平均年齢66.0 ± 9.5歳), 90床を分析対象とした. 使用状況は, RPDを5年間使用し続けているものを継続使用, 5年以内に新義歯に作り変えたもの, 使用を中止したものを再製作使用・不使用と規定し, 以下の12項目 ((1) 性別, (2) 年齢, (3) 義歯使用経験, (4) RPD装着顎, (5) 欠損形態, (6) 咬合歯数, (7) 欠損歯数, (8) 反対顎の義歯装着, (9) 義歯床の種類, (10) 支台歯数, (11) クラスプの種類, (12) レスト数) との関連性を分析した. 統計解析には, 多重ロジスティック回帰分析 (ステップワイズ法) を用いた. 結果 : 対象者161名中, 67名がリコールに応じ, リコール応答率は41.6%であった. 90床中, 継続使用が55床 (61.1%), 再製作使用が21床 (23.3%), 不使用が14床 (15.6%) であった. 使用状況と年齢, 欠損形態, 咬合歯数, レスト数との間に有意な関連性が認められた (p < 0.05). 結論 : RPD治療においては, 上記の因子に対し十分に配慮することの重要性が示唆された.
ISSN:0389-5386
1883-177X
DOI:10.2186/jjps.52.126