隆起型早期胆管癌の1例

症例は65歳男性. 2009年4月頃に食後の上腹部痛を主訴とし近医受診. 総胆管内に腫瘤性病変を指摘されたが細胞診でClass IIであったため, 精査加療目的で当院紹介となった. 入院時現症に異常はなく, 血液生化学検査では軽度の貧血と肝胆道系酵素の軽度上昇を認めるもCEA, CA19-9は共に正常範囲内であった. 腹部超音波検査では中部胆管に12mm大の内部ほぼ均一な低エコー性腫瘤を認め, 腫瘤内部に流入する血流シグナルが確認された(図1). 腹部造影CTでは三管合流部付近の中部胆管内に造影効果を伴う腫瘤性病変として認めた. 腫瘍の壁深達度診断のため胆道EUSを施行したところ, 腫瘤内部は...

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Published in胆道 Vol. 27; no. 4; pp. 766 - 769
Main Authors 渋谷, 和俊, 鎌田, 至, 五十嵐, 良典, 岡野, 直樹, 大久保, 陽一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.10.2013
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.27.766

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Summary:症例は65歳男性. 2009年4月頃に食後の上腹部痛を主訴とし近医受診. 総胆管内に腫瘤性病変を指摘されたが細胞診でClass IIであったため, 精査加療目的で当院紹介となった. 入院時現症に異常はなく, 血液生化学検査では軽度の貧血と肝胆道系酵素の軽度上昇を認めるもCEA, CA19-9は共に正常範囲内であった. 腹部超音波検査では中部胆管に12mm大の内部ほぼ均一な低エコー性腫瘤を認め, 腫瘤内部に流入する血流シグナルが確認された(図1). 腹部造影CTでは三管合流部付近の中部胆管内に造影効果を伴う腫瘤性病変として認めた. 腫瘍の壁深達度診断のため胆道EUSを施行したところ, 腫瘤内部は低~高エコーが混在し, やや不均一であった. 胆管壁最外層(第3層)の高エコー部は腫瘍深部で不明瞭で, 漿膜以深への浸潤が否定出来なかった(図2).
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.27.766