局所麻酔下胸腔鏡所見記載方法の標準化

「1. はじめに」胸膜疾患, 特に胸水貯留の原因診断のための胸腔鏡検査は, 胸膜鏡pleuroscopyあるいは内科的胸腔鏡medical thoracoscopyと呼ばれ, 古くから欧米を中心に行われてきた. 本邦においても1990年以降, 胸腔鏡専用のsemi-rigid thoracoscopyが開発され広く普及してきた. 胸腔鏡による胸腔内病変の観察や生検は, 局所麻酔下でも簡便に施行できる検査であり, 内科医でも施行可能なため胸膜疾患の原因診断に極めて有用であり, 呼吸器疾患診療に必要不可欠な検査法となっている. 胸腔鏡検査普及以前は, 経皮的胸膜生検が行われていたが, 盲目的な生検...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in気管支学 Vol. 41; no. 4; pp. 337 - 349
Main Authors 鏑木, 孝之, 石井, 聡, 笹田, 真滋, 武政, 聡浩, 浅野, 文祐, 岡部, 和倫, 石井, 芳樹, 中島, 崇裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.07.2019
日本呼吸器内視鏡学会
Online AccessGet full text
ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.41.4_337

Cover

More Information
Summary:「1. はじめに」胸膜疾患, 特に胸水貯留の原因診断のための胸腔鏡検査は, 胸膜鏡pleuroscopyあるいは内科的胸腔鏡medical thoracoscopyと呼ばれ, 古くから欧米を中心に行われてきた. 本邦においても1990年以降, 胸腔鏡専用のsemi-rigid thoracoscopyが開発され広く普及してきた. 胸腔鏡による胸腔内病変の観察や生検は, 局所麻酔下でも簡便に施行できる検査であり, 内科医でも施行可能なため胸膜疾患の原因診断に極めて有用であり, 呼吸器疾患診療に必要不可欠な検査法となっている. 胸腔鏡検査普及以前は, 経皮的胸膜生検が行われていたが, 盲目的な生検は診断率が低く, 胸腔鏡で病変を直視して生検することで診断率は向上した. このように, 胸膜病変は内視鏡によって直視して診断する時代になったが, その所見の記載法は, これまで標準化したものはなく各検査医に委ねられてきた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.41.4_337